今年7月から新1万円札“渋沢栄一”ゆかりの地で機運盛り上げ

新紙幣発行カウントダウン、持続可能な社会へ「未来会議」 東京・北区

今年7月から新1万円札の“顔”となる渋沢栄一。渋沢とゆかりのある東京都北区で、昨年9月から「新一万円札発行カウントダウンプロジェクト」と銘打ち、新紙幣発行に向けた機運醸成に努めている。その一環として、このほど区内で「国連を支える世界こども未来会議」を開催。公明党の古田しのぶ、須藤彰雄の両区議が視察した。

※ 渋沢栄一
1840~1931年。日本初の銀行をはじめ、生涯に約500もの企業設立に関わり、産業の育成による近代化をリードした「日本資本主義の父」。北区に現在の王子製紙の前身となる会社の工場を設立し、工場近くの飛鳥山に別荘を構えた。61歳からは本邸として、生涯を終えるまでの約30年間を過ごした。

▶未来会議を視察する(奥側右から)須藤、古田の両区議

「未来会議」は、2021年の東京五輪・パラリンピックのレガシー(遺産)事業の一つで、次世代を担う子どもたちが国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)を軸に、平和で豊かな世界について話し合い、考える場。北区が同会議を「新一万円札発行カウントダウンプロジェクト」の一環として位置付けたのは、渋沢が著書『論語と算盤』に記した理念が、SDGsの「誰一人取り残さない」との理念に通じると考えたためだ。
会議では区内の小学生が、「住み続けられる未来の北区」をテーマに、それを実現するために必要となる要素について、「挑戦」や「思いやり」などのキーワードが書かれた18枚のカードを用いながら、グループディスカッションを実施。子どもたちからは「新しいことに挑戦することで多様な人材が集まり、技術革新につながる」「親しい人の価値観を積極的に知り認め合うことで挑戦する勇気を生み、活気ある北区になる」――など、独創的な意見が出た。
最優秀賞に選ばれたグループは、北区代表として今月24日に都庁で行われる未来会議で、全国から集う代表と共に意見表明する予定だ。
視察を終えた古田区議は、「子どもたちが真剣に考え、話し合う姿が印象的だった」と語った。

■好物だった食材で給食や足跡をたどるパネル展
同プロジェクトではこのほか、区立小中学校45校の給食に、渋沢が好んで食べたとされるオートミールやサツマイモなどを使った献立が登場。昨年11月には「北区を藍く染めよう大作戦」として、渋沢の実家が埼玉県深谷市で藍染めの染料となる藍玉の生産農家だったことから、区内の飛鳥山公園内3カ所を藍色のライトアップで照らしたり、インスタグラムで「#渋沢ブルー」を付けて投稿を呼び掛けたりした。

■党区議団、関連性、PR強化を主張
これまで党区議団(宮島修幹事長)は、会派を挙げて渋沢と北区の関連を積極的にPRすることを主張。2019年6月定例会では、その具体案として区観光協会や区内にある渋沢資料館と連携し、NHK大河ドラマの誘致活動を行うよう提案していた。
これを踏まえ区は、オリジナルキャラクター「しぶさわくん」の制作や、深谷市と連携して渋沢の足跡をたどるパネル展示を開催するなど、発信強化に力を入れてきた。

2024年3月7日付 公明新聞より

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